火山がつくった伊豆半島の多様な地質と地形を活用してきました。その一部を紹介します。
地質・地形の活用
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中伊豆エリア・大仁地質の活用・大仁金山
大仁金山は、天正年間に発見されました。慶長年間に大久保長安が再開して最盛期を迎えましたが、その後は休山していました。
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西伊豆エリア・宇久須地質の活用・珪石鉱山
宇久須川の支流・赤川の上流の稜線上に珪石鉱山があります。珪石(けいせき)は珪酸(SiO2)を主成分とする石英片岩です。珪石からガラスが作られます。
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中伊豆エリア・カワゴ平地質の活用・黒曜石
カワゴ平の火砕流に覆われた台地の一部が侵食されて、大きな黒曜石(こくようせき)や流紋岩(りゅうもんがん)が露頭します。
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中伊豆エリア・冷川地質の活用・軽石
冷川集落の洞窟の内部に細かい火山灰が白いシルト層となっています。地元では、手掘りしたシルトの粉を”突き粉”(つきこ)といって精米に使ったり、台所のクレンザーとして使ったそうです。
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東伊豆エリア・富戸地質の活用・伊豆石(堅石)
江戸城の築城石が切り出された石丁場に、矢穴が刻まれた巨石が積み残されています。払火山の溶岩と考えられます。
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西伊豆エリア・室岩洞地質の活用・伊豆石(軟石)
松崎から岩地(いわち)に至る国道の海岸下に、白浜層群の軽石凝灰岩・凝灰質砂岩からなる伊豆石(軟石)の石丁場跡が観光用に公開されています。
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北伊豆エリア・箱根西麓地質の活用・ローム層
箱根火山からの火砕流(軽石・火山灰)が厚く積もった台地では、あちこちの崖に火砕流の地層や、その上をおおう三島軽石層が観察できます。ローム層で覆われた緩やかな台地は、箱根西麓野菜の農地や宅地として利用されています。
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中伊豆エリア・舩原地質の活用・スコリア
舩原川支流の数沢川(かずさわがわ)の北東山中には、今から約15万年前に噴火した舩原火山がありました。火口から噴出したスコリアが堆積したスコリア丘で、西斜面にはスコリアの採石場がありスコリア丘の断面が露頭しています。
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西伊豆エリア・仁科川地質の活用・石材
仁科川の中流沿いの採石場では、安山岩の砕屑物が骨材として採石されています。
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西伊豆エリア・松崎地質の活用・石蔵
松崎港近くで、伊豆石の蔵がカフェとして使われています。
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中伊豆エリア・湯ヶ島地質の活用・狛犬
天城神社の狛犬は、二匹ともに天城の方を向いて、山犬(狼)ににらみを利かせています。
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東伊豆エリア・八幡野地質の活用・伊豆型道祖神
伊豆型道祖神は伊豆半島や神奈川県西部の狭い範囲で広まった道祖神で、座像・単体・丸彫の様式が共通です。
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西伊豆エリア・仁科峠地形の活用・酪農
仁科峠の周辺では、緩斜面を活用した放牧による酪農が盛んです。
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西伊豆エリア・石部地形の活用・棚田
石部の棚田は、約140万年前に陸上で噴火した蛇石(じゃいし)火山のすそ野に位置します。火山がもたらす豊富な湧水や地下水が地すべりを起こしてできた緩斜面を棚田に利用しています。
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中伊豆エリア・田方地形の活用・田方平野
狩野川は、上流部の天城山を侵食して、その土砂を運搬して、下流域に伊豆半島最大の平野をつくりました。
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中伊豆エリア・筏場地形の活用・ワサビ田
約3200年前に噴火したカワゴ平火山の溶岩流と火砕流に埋め立てられた谷川では、溶岩流のすき間から湧く清らかな地下水を利用したワサビ栽培が盛んです。
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南伊豆エリア・外浦地形の活用・海水浴場
外浦は須崎(すざき)半島の付け根の東側に位置して、相模灘に面した小さな砂浜のある海岸の集落です。入り江にできた静かなビーチで、透明度も高く遠浅で、波も穏やかなためお子様連れのご家族連れや女性に人気があります。
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南伊豆エリア・青野地形の活用・大師ダム
青野川の支流の鈴野川をダムでせき止めて、洪水調節や水道用水の確保を目的とした多目的ダムとして建設されました。
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西伊豆エリア・安良里地形の活用・漁港
安良里は、独特な地形により、駿河湾沿いの西海岸の中でも波静かな天然の良港と言われています。小さな砂嘴(さし)でできた網屋崎(あみやざき)が天然の防波堤となり、奥深く入り組んだ港は台風の時にも影響が受けることが少ないと言われます。
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中伊豆エリア・下白岩地形の活用・ブドウ栽培
宇佐美火山の西の緩斜面では、ブドウの栽培がおこなわれています。ブドウの王様・巨峰はこの地で育てられました。
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南伊豆エリア・大池地形の活用・パラグライダー
河津町見高にある大池の草原は、パラグライダーの練習場として利用されています。
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中伊豆エリア・佐ケ野川地形の活用・キャニオニング
佐ケ野川渓谷上流にある三段の滝の中間の滑滝では、キャニオニングが行われています。