湯ヶ島層群とは(続きを読む)
湯ヶ島層群とは、仁科層群に次いで、伊豆半島で二番目に古い地層(約1500万年前~1000万年前)です。
伊豆半島の土台となる海底火山群から噴出した溶岩や火山礫・火山灰が当時の海底に堆積してできた地層で、伊豆半島の大きな川の谷筋に沿って分布し、標高の高い尾根や山頂付近には、分布しません。
- 地域
- 中伊豆エリア
- 地層分類
- 約1500万年前~1000万年前
- キーワード
- 深い海底火山湯ヶ島層群
湯ヶ島層群の代表的な見どころ
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中伊豆エリア・世古峡凝灰岩
世古峡は猫越川(ねっこがわ)が狩野川(かのがわ)に合流する手前の狭い渓谷です。両岸には海底火山から噴出した火山灰が堆積した凝灰岩が迫ります。
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中伊豆エリア・梶山タービダイト
狩野川の左岸・大平にある地ビール工場近くの対岸に、シマシマの地層が見えます。海底に堆積した軽石・火山灰が地震などにより、更に深い海底に、何回も乱泥流が発生して堆積すると縞々の地層ができました。その後の伊豆半島の衝突で隆起した際に、傾いたようです。
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中伊豆エリア・加殿タービダイト
海底で乱泥流が堆積したタービダイトのシマシマが大見川の川床に露頭します。
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中伊豆エリア・皆沢若草石採石場跡
湯ヶ島層群の海底で噴出・堆積した凝灰岩を切り出した跡です。水をかけると緑色になることから、若草石と銘打たれて、石垣や浴槽などに用いられました。
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南伊豆エリア・梨本石灰岩露頭
梨本の奥原川の浸食された川床の崖に露頭する(縞模様が見られる)石灰岩には貝殻やサンゴ、大型有孔虫などの化石が見つかり、約1400万年前のプランクトンの化石も発見されたそうです。
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中伊豆エリア・下白岩大型有孔虫露頭
この露頭の石灰質砂岩は約1100万年前の地層で、レピドシクリナという大型有孔虫化石をはじめ、海洋性の生物化石が大量に含まれています。伊豆半島が南から来た証拠の一つです。