熱海層群・下部とは(続きを読む)
伊豆の元となる火山群島は、年間数cmのゆっくりとした速度で北上するフィリピン海プレートに乗って、約200万年前には本州と衝突し始めました。伊豆の大部分が陸地となるこの時期以降の地層を熱海層群と呼びます。
約200万年前~100万年前の期間に本州と伊豆の間の最後の海に堆積していた地層を熱海層群の下部と呼びます。
中伊豆の一部で熱海層群・下部の玉礫・砂岩・シルト岩などを観察できます。
- 地域
- 中伊豆と駿東郡小山町
- 地層分類
- 約200万年前~100万年前
- キーワード
- 熱海層群・下部衝突の現場
熱海層群・下部の代表的な見どころ
-
小山町・神縄断層衝突の現場
伊豆半島の北約30Kmにある小山町の山地には、伊豆半島が本州に衝突した現場と称される神縄断層が観察できます。左の緑色の凝灰岩が丹沢層群で右の礫岩が足柄層群(先に本州に衝突していた丹沢山地から、伊豆火山島との間の海に流れ出して堆積した土砂)です。
-
皆瀬川・高杉近く衝突の現場
神縄断層の一部で、右下がりの断層に沿って草が生えています。上部の丹沢層群の凝灰岩の下部に、足柄層群(2-0.7Ma)の礫岩が潜り込んでいます。
-
透間の採石場伊豆半島との間の海に溜まった土石
伊豆半島の衝突前に本州との海峡に堆積した土砂が、衝突後に隆起して、堆積した場所で、採石が行われています。
-
中伊豆エリア・年川砂礫層
伊豆半島が本州と衝突する前の時代、中伊豆付近は海峡に接する浅い海底でした。年川の辺りは波打ち際で、砂礫(されき)が溜まったと考えられます。
-
中伊豆エリア・筏場砂岩層
蛇喰川が冷小川(ひえおがわ)と名前が変わる近くの堰堤の下流の崖に、伊豆半島が本州と衝突する前の浅い海峡の海底で堆積した砂岩が10m近くの厚さで露頭します。
-
中伊豆エリア・筏場シルト岩
蛇喰川が冷小川(ひえおがわ)と名前が変わる近くの堰堤上流の崖と川床に、シルト岩が露頭しています。
-
中伊豆エリア・梅木横山シルト岩
梅木を流れる川の中流の岸には横山シルト岩が露頭しています。含まれていた海洋微生物の化石から約120万年前の地層であることが分かりました。
-
中伊豆エリア・筏場横山シルト岩
持越(もちこし)の川の堰堤(えんてい)上流側の対岸に、伊豆半島が本州と衝突する以前に、浅い海底に溜まったシルト層が露頭しています。