岩石には、大きく分けて火成岩・堆積岩・変成岩の3つの種類があります。伊豆半島ジオパークで観察できる代表例を紹介します。(但し、専門的な分類とは異なるものもあります。)
- 堆積岩は、堆積した物質によって、砕屑性堆積岩・火山砕屑岩・生物的沈殿岩の3つに分類されます。
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- 生物的沈殿岩は、生物の遺骸などが堆積したもので、伊豆半島では石灰岩が存在します。
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- 石灰岩:炭酸カルシウムを主成分とする生物の骨格でできた岩石
火成岩や堆積岩が、地下の高圧・高温下で変化してできた岩石(伊豆半島には、存在しません。)
地質(岩石)の代表的な見どころ
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北伊豆エリア・鮎壺の滝火山岩・玄武岩
約1万年前に富士山から噴出した玄武岩の溶岩流は、箱根火山と愛鷹火山に挟まれた谷を埋めながら南下して、現在の三島市・長泉町あたりを先端として、冷え固まりました。
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東伊豆エリア・大崎海岸火山岩・安山岩
大崎海岸から北にかけての海岸には、約75~65万年前に噴火した大崎火山の安山岩溶岩流が露頭します。この露頭では、細かい板状節理が発達しています。
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西伊豆エリア・波勝崎火山岩・デイサイト
波勝崎の南壁には、白色のデイサイトの海食崖が遠くからも目立ちます。
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北伊豆エリア・牛臥山西火山岩・流紋岩
牛臥山の海岸の露頭には、粘性の強い流紋岩の表面に流離構造が見られます。
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中伊豆エリア・年川砕屑性堆積岩・礫岩
伊豆半島が本州と衝突する前の時代、中伊豆付近は海峡に接する浅い海底でした。年川の辺りは波打ち際で、浜石の礫岩が溜まっていたと考えられます。
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中伊豆エリア・筏場砕屑性堆積岩・砂岩
蛇喰川の下流域の崖に、伊豆半島が本州と衝突する前の浅い海峡の海底に溜まった砂岩が10m近くの厚さで堆積しています。
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中伊豆エリア・梅木砕屑性堆積岩・シルト岩(泥岩)
伊豆半島が本州と衝突する以前に、本州と伊豆の間の浅い海底には泥・砂・玉砂利(礫)が川から流れ込んで堆積していました。梅木を流れる川の中流の岸には横山シルト岩が露頭しています。
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南伊豆エリア・妻良火山砕屑岩・火山角礫岩
南伊豆歩道の途中には、火山角礫岩が水底土石流として流れて堆積した地層がさざれ石と呼ばれています。
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北伊豆エリア・政戸火山砕屑岩・凝灰角礫岩
沼津アルプスの大平山の山すそに残る採石場跡では、大井凝灰角礫岩が採石されました。
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西伊豆エリア・枯野公園火山砕屑岩・火山礫凝灰岩
枯野公園のオンビと呼ばれる磯場では、黒々とした水冷破砕岩の角礫を含む黄白色の軽石・火山灰層が水底土石流として流れ、火山礫凝灰岩となりました。
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北伊豆エリア・口野火山砕屑岩・凝灰岩
口野の放水路出口付近の崖は、海底にたまった火山灰・軽石が堆積した凝灰岩です。伊豆石(軟石)が切り出された石丁場には縞々の地層が見えます。
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南伊豆エリア・梨本生物的沈殿岩・石灰岩
梨本を流れる奥原川の浸食された川床の崖に露頭する石灰岩には貝殻やサンゴ、大型有孔虫などの化石が見つかり、約1400万年前のプランクトンの化石も発見されたそうです。
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