東海道線の丹那トンネルが開通するまでは、東海道線は、国府津(こうづ)駅から沼津駅の間は、現在の御殿場線を経由していました。勾配がきつく、登坂用に補助の機関車を連結する手間がかかり、輸送面で東海道線最大のボトルネックとなっていました。輸送力強化のため、大正7年に熱海側と三島側の両口から工事が着工されました。昭和8年に貫通して、昭和9年12月に開業しました。 丹那トンネル工事の犠牲者は、67名にものぼりいかに難工事であったかが伺えます。東口(熱海側)には丹那神社が建立され、慰霊碑も建てられました。西口(函南側)にも慰霊碑があり、どちらでも毎年、慰霊祭が行われています、
Information
- なし
- JR伊東線・来宮駅から徒歩15分(約1km)
- なし
- 難易度
- 街歩き
周辺の見どころ
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丹那トンネル殉職者慰霊碑(じゅんしょくしゃいれいひ)
トンネル東口の坑門(こうもん)の真上に、慰霊碑が建立されています。
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丹那(たんな)神社
丹那トンネルの開通により、大規模な温泉街に発展した熱海の地元有志により神社が建立されました。
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救命石(きゅうめいいし)
工事で掘りだしたズリをトロッコに移す際に、大石が引っ掛かり、総掛かりで石の取り除きを行いました。その後に坑内で崩落が発生したのです。取り除き作業していた人たち17名は、崩壊現場の奥に閉じ込められましたが、8日後に奇跡的に救助されました。この石のお陰で尊い命が救われたということから、「救命石」と名付けられ、大切に保存されています。
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山神社
丹那トンネルの工事の着工前に山の神である大山祗命(おおやまずみのみこと)が祀られました。坑夫たちは坑内への出入りの際には参拝したと言われています。
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トンネルのズリで造成された土地
トンネル内から掘り出された土砂・岩石はズリと呼ばれます。大量のズリを熱海側では、トンネル出口の段々畑を埋めて、広場にして今の来宮駅の土台としました。