山伏峠(やまぶしとうげ)周辺から上多賀(かみたが)にかけての山地は、約100万年前に陸上で噴火活動した下多賀火山(しもたがかざん、旧多賀火山)の溶岩や火砕岩(かさいがん)で覆われています。
上多賀の海岸は魚見崎火山(うおみざきかざん)と上多賀流紋岩(かみたがりゅうもんがん)が噴出しています。
- 地域
- 東伊豆エリア
- ジオサイト
- 多賀海岸
- 地層分類
- 以前は多賀火山の活動初期に主に水底(一部陸上)で噴火した噴出物と考えられていた。
最近は、活動時期・場所から多賀火山をいくつかの火山群に分類して、約70万年~45万年前に活動した熱海火山の海側で約60万年~50万年前に活動した魚見崎火山の噴出物と考えるようになった。 - 住所
- 静岡県熱海市下多賀
- キーワード
- 魚見崎火山下多賀流紋岩
Information
- あり-夏季有料(長浜海浜公園)-142台
- JR伊東線・伊豆多賀駅から徒歩(約2km ゴロタ浜あり)
- あり(長浜海浜公園)
- 難易度
- ハイキング
- 安全情報
- ゴロタ浜を歩く場所もあります
周辺の見どころ
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無名岬
上多賀のゴロタ浜の最北端は、小さな岬で行き止まりとなります。
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流紋岩(りゅうもんがん)
無名岬の南の海岸には、流離(りゅうり)構造が明瞭な流紋岩の転石が転がります。
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黒曜石(こくようせき)の露頭
黒曜石化した岩片も認められます。
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千人石(せんにんいし)
江戸城の増築の際に、積み込み途中に海中に落としたものと伝えられます。
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中張窪(ちゅうばりくぼ)石丁場跡・標識石
下多賀の山中に、江戸城の築城用に採石した石丁場跡が残ります。急斜面に、矢穴や刻印のある巨石が転がっています。[是よりにし 有馬玄蕃 石場 慶長十六年 七月二十一日]と刻まれた標識石は、大名の持ち場を示す標識です。
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不動滝(ふどうだき)
山伏峠に向かう道の中間には、下多賀火山の火砕岩を侵食して、小さな滝が落ちます。
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滝ノ山(たきのやま)不動尊
滝の近く崖の窪みには、お不動さんが祀られています。背後の崖は、溶岩流の熱で、下層のスコリアが赤く酸化したと考えられます。
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下多賀火山露頭
不動滝の向かいの宮川の崖にも、下多賀火山の火砕岩(かさいがん)が露頭します。
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頼朝の一杯水
熱海と下多賀の峠近くには、頼朝の一杯水と地蔵尊があります。頼朝が伊藤祐親に命を狙われて、逃げる途中で喉の渇きを潤した湧き水と伝わります。
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秋葉灯籠
もともとは古道沿いにあった秋葉山灯籠は国道沿いに移され、[右伊東下田道・左あたみ道・向みしま道]と刻まれて道標も兼ねていました。
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下多賀神社・ホルトの木
下多賀神社のご神木のホルトの木。