どこから見ても、プリンやお椀を伏せたような美しい山容の大室山は、伊豆東部単成火山群を代表する火山のひとつです。約4000年前に噴出したスコリアや火山弾が火口のまわりに降り積もって、スコリア丘と呼ばれる山となりました、
噴火の後半には、山麓から大量の溶岩が流れ出して、伊豆高原や城ケ崎海岸をつくり出しました。
標高580mの山頂に直径300mのすり鉢状の噴火口を持つ伊豆東部火山群の最大のスコリア丘で、全山カヤ(ススキ)におおわれています。天然記念物に指定されている大室山は登山が禁止され、リフトで山頂まで登ります。山頂には遊歩道があり、周囲の素晴らしい展望が楽しめます。
毎年2月の第2日曜日に行われる山焼きにより、木々が生えないようにしているので、安息角(あんそくかく)30度の美しい山容が保たれています。
Information
- あり-無料
- JR伊東・伊東駅からシャボテン公園行終点または伊豆高原駅発シャボテン公園行終点下車
- あり
- 難易度
- ハイキング
- 安全情報
- 強風時などには、リフトが運休となることもあります。
周辺の見どころ
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大室山が造った伊豆高原の大地
大室山の南麓から流れ出した溶岩流が、伊豆高原の大地を造りました。
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大室山 3Dモデル
静岡県点群データから、3Dモデルを作成しました。
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山焼き・空撮
2020年の山焼きを、池盆地側から空中から撮影しました。20分ほどを8倍速に記録しました。
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山焼き後のお鉢
山焼きは、お鉢内部(火口)を焼いた後に、周囲のを全山一斉に焼き上げます。
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山頂歩道の火山弾
火口から周囲に飛んだ火山弾が見られます。
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八ヶ岳(やつがたけ?)地蔵尊
その昔、近隣沿岸の漁師たちが相計らい大島に対面した大室山に海上安全、海難防止祈願のため、海運を願って八開き八地蔵尊を大室山山頂に奉納したと言われています。
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噴気孔跡
大室山南中腹には、噴火途中に噴気が出たと考えられる凹地が見えます。
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山頂から火口
山頂から火口が良く見えます。
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五智如来(ごちにょらい)像
この石仏は約300年前、相州岩村(神奈川県足柄下郡)の地頭朝倉清兵衛さんの娘さんが9歳で身ごもり、その安産を大室山浅間神社に祈願したところ無事安産したのでお礼に安置したものです。
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狐のお宿
山頂のスコリア火口壁の中に、”きつねのお宿”(俗名:最後っ屁)と呼ばれる溶岩ドームが露頭します。最後の小噴火で噴出したものと考えられています。
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スコリアの剥ぎ取り標本
リフトの山麓駅近くには、池のスコリア層の剥ぎ取り標本が展示されています。
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岩室山(いわむろやま)
大室山の北東に隣接する小さな溶岩ドームで、大室山の南にある森山と同様に、伊豆高原や城ケ崎海岸を作った溶岩流の流出口で、噴火の最後に粘り気を増した溶岩が盛り上がったものです。
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穴の原溶岩洞穴
さくらの里は、元々は大室山の溶岩原でした。岩室山方向から流れてきた溶岩流の内部にできた溶岩トンネルが崩壊して、溶岩洞穴が上から見られます。
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スコリアラフト
スコリア丘の一部を壊して流れ出た溶岩が周りのスコリアを巻き込んで運んでいるときに、スコリアを包み込んだものです。
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スコリアラフト 3Dモデル
スコリアラフトの全周を見られるように3D化しました。
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山焼きの防火帯
大室山周囲には防火帯が周り、ここから山焼きの火をつけます。防火帯より上の木々は焼け落ちます。
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スコリア露頭
防火帯の一部には大室山を構成するスコリアの地層が露頭しています。
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リフト駐車場わき
黒ボク土の露頭に、838年に神津島の天上山の噴火による火山灰が白い筋で挟まっています。
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オークランド別荘地
大室山の西の別荘地には、降り積もったスコリアが縞々の地層を成しています。