城ケ崎海岸は伊東市の南に、約9kmにわたって広がる溶岩の末端崖の海岸です。見どころがたくさんあるので、北と南に分けて案内します。
約4000年前に大室山のふもとから南東に流れ出した(流動性の高い)溶岩流は、現在の伊豆高原を埋め尽くし、その先にあった海を埋め立てて、その先端に現在の城ケ崎海岸をつくりました。
蓮着寺から八幡野港までの海岸線は自然研究路と呼ばれて、北のピクニカルコース(富戸のボラ納屋から海洋公園まで)に比べて距離が長く歩きにくいコースですが、溶岩流が造った大地を波が侵食している荒々しい地形を堪能できます。
Information
- あり-有料
- 伊豆急・伊豆高原駅より海洋公園行きバスにて、蓮着寺で下車
- あり
- 難易度
- ハイキング
- 安全情報
- 自然研究路は、切り立った溶岩末端崖の上を歩きます。歩きやすい靴でお越しください。
周辺の見どころ
-
3D地形図
静岡県点群データにより、蓮着寺から八幡野までの城ケ崎海岸南部を、3D地形図を作成しました。
-
蓮着寺(れんちゃくじ)
起点に当る蓮着寺は、鎌倉幕府によって、日蓮崎の俎岩に置き去りにされた日蓮上人にちなんで、祖師堂を建立したのが始まりです。本堂の右手にあるヤマモモは日本最大で、天然記念物に指定されています。
-
水ヶ崎(みずがざき)
自然研究路の最初の磯で、蓮着寺の南に位置します。
-
石食いモチの木
溶岩礫(ようがんれき)を囲い込んだままでモチの木が成長しました。
-
墓下(はかした)
蓮着寺の墓地の南に位置する磯です。
-
ライオン岩?
奥の院前の浜では、節理の発達した溶岩流が侵食されて、動物のように見えます。
-
日蓮崎(にちれんざき)
断崖絶壁で、真下の海には俎(まないた)岩が見えます。
-
灯明台
日蓮崎の断崖絶壁に灯明台(昔の灯台)の跡が残ります。
-
まないた岩
日蓮上人が流刑として置き去りにされたといわれる場所です。
-
だせんば
大きな溶岩流の岬で、海風がつよいせいか、植生は育っていません。
-
にちょう
断崖絶壁の小岬です。
-
なみだち
にちょうから南のなみだちの断崖絶壁が見えます。
-
大島ヶ根(おおしまがね)
城ケ崎海岸と地続きですが、陸側との間が波で侵食されて、島のようになりました。
-
ブエモン
大島ヶ根とかんのんが根の間に浮かぶ小さな岩礁です。
-
ポットホールと珠石
かんのん浜の先端の波打ち際のポットホールには、直径70cmていどの球状の石が挟まり、波が来ると少し動きます。
-
ポットホール・動画
波で動く珠石を近くまで寄って、動画撮影しました。
-
小ポットホールの珠石
ポットホールの背後の海食された小洞穴の奥にも、小さな球状の石が挟まっています。
-
大ポットホール
かんのん浜には、大きなポットホールが見られます。海面より高い所にあるので、これ以上侵食されることはないでしょう。
-
かんのんが根
ここから、なが根にかけて、指状の根がいくつか続きます。
-
いがいが根
イガイガしたトゲのような岩が平らな岬の表面を覆っています。溶岩流の表面が冷えて固まってできた殻が、後から流れてくる溶岩に押されてバラバラに砕かれてできました。マル根から断面を見ると溶岩流の表面だけがイガイガしていることが分かります。
-
まる根
先端は一段低いテラスとなっていますが、波にさらわれないように注意しましょう。
-
ヒアイの浜
まる根とあぶな根の間のゴロタ浜で、正面にスズメ島が見えます。
-
あぶな根
断崖絶壁の小岬です。
-
なが根
自然研究路のなかで最も沖に突き出しているのが長根です。溶岩流が緩やかに傾斜して海に注ぎました。
-
おとじろう
なが根の南の小さな岬です。先端にテラスがありますが、降りることはできません。
-
カモメ島
おとじろうの沖にある小さな島で、カモメが休んでいます。
-
てんぐのはな
おとじろうと同様に小さな岬です。
-
田中磯
小さな根で、岩場の一部で、城ケ崎の他の根では見られない縞々の地層が見られます。
-
とよ
小さな磯を持つ根です。
-
てんまじり
先端にでるには深いキレットを渡るので危険です。
-
しりいだし
高い断崖絶壁の岬です。
-
ばったり
断崖絶壁の岬です。旅人がここでバッタリと倒れたことからこの名がついたといわれます。あかねの浜側の絶壁はロッククライミングのゲレンデとして楽しまれています。
-
あかねの浜
ばったりとあかねの断崖に挟まれた小さなゴロタ浜です。
-
あかね
あかねも断崖絶壁で危険なので、あかねの浜から見ます。
-
びゃくび
やせた尾根を持つ小さな岬で、先端にでるのは危険です。
-
はしがかり
海食された根の先端に柱状節理が波で洗われています。
-
おおばい
断崖絶壁の岬の先端の柱状節理が海食された棚となっています。
-
こばい
おおばいと同じく柱状節理の波食棚(はしょくだな)が先端にあります。さいつなとの間のゴロタ浜からこばいの断崖の下部には海食洞が見られます。
-
さいつな
断崖絶壁の岬の波打ち際には柱状節理が発達しています。
-
こさいつな
さいつなの根の西にある小さな岬です。
-
かさご根
岬の下部は発達した柱状節理が美しいですが、表面はガサガサのアア溶岩です。カサゴの背びれのようにとがっているからかさご根と呼ばれるのでしょうか?
-
対島(たじま)の滝
池盆地から流れる対島川が直接、城ケ崎の海に落ちる珍しい滝です。雨が少ない時期は枯れることもあります。
-
はしだて
発達した柱状節理が波で侵食された波食棚(はしょくだな)です。
-
大淀・小淀(おおよど・こよど)
はしだての海側の磯場には、大小の汐溜まりがあり、波が穏やかな時には磯遊びができます。
-
橋立吊り橋
はしだてとおたつ磯の間に架けられた長さ60m, 高さ18mの吊り橋で、橋の上から荒々しい末端崖が観察できます。
-
橋立周辺・空撮
橋立周辺の磯を空撮しました。
-
おたつ磯
はしだてとじょうせんが根の間のゴロタ浜がおたつ磯と呼ばれます。柱状節理の段階的な発達が観察できます。
-
じょうせんが根
切り立ったやせ尾根の岬で、展望は利きません。
-
おんどまり
断崖絶壁でたどり着くことはできません。
-
沖の島
じょうせんが根の沖に浮かぶ小さな島で、柱状節理の根が海食されています。
-
犬おとし
ロッククライミングの穴場です。
-
前の島
八幡野(やはたの)の沖に浮かぶ小さな島です。
-
堂の穴
城ケ崎海岸を埋め立てた大室山溶岩流の西端にあたり、海食された洞穴には、弘法大師像などの石仏が祀られます。
-
三十三観音
堂の穴手前には、三十三観音の石仏が並びます。
-
堂の穴露頭
堂の穴東の断崖には、著しく変形した柱状節理や板状節理が観察できます。