城ケ崎海岸は伊東市の南に、約9kmにわたって広がる溶岩の末端崖(まったんがい)の海岸です。見どころがたくさんあるので、北と南に分けて案内します。
約4000年前に大室山のふもとから南東に流れ出した(流動性の高い)溶岩流は、現在の伊豆高原を埋め尽くし、その先にあった海を埋め立てて、その先端に現在の城ケ崎海岸をつくりました。
富戸のボラ納屋から海洋公園まではピクニカルコースと名付けられ、南の自然研究路(蓮着寺から八幡野港)に比べて距離も短く比較的歩きやすいコースです。
- 地域
- 東伊豆エリア
- ジオサイト
- 城ケ崎海岸北
- 地層分類
- 約4000年前に噴火した大室山からの溶岩流が埋め立てた大地。
大室山から流れ出した黒灰色の溶岩は、色から玄武岩に見えますが、二酸化ケイ素の比率から、安山岩に分類されます。安山岩にしては、かんらん石結晶と大粒の石英結晶が目立つのが特徴です。 - 住所
- 静岡県伊東市富戸837
- キーワード
- 大室山
Information
- あり-有料-数十台
- 伊豆急行線・城ケ崎海岸駅から徒歩20分
- あり
- 難易度
- ハイキング
- 安全情報
- ピクニカルコースは、切り立った溶岩末端崖の上を歩きます。歩きやすい靴でお越しください。
周辺の見どころ
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ぼら納屋
ボラ納屋は、ボラ漁が盛んだった江戸時代に、漁師が待機する小屋でした。現在は、食事処として活用されています。
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魚見小屋
江戸時代に盛んにおこなわれたボラ漁の見張り小屋で、ボラの大群を入り江に追い込んで捕獲するために、船と連携して指示を出していた、ボラ漁の中心的な役割であった見張り小屋です。
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まえかど
城ケ崎海岸の北端に位置する大室山溶岩流の先端の崖です。表面はガサガサのアア溶岩で覆われている。城ケ崎海岸の岬は”根”と呼ばれ、変わった名前がついています。漁師が沖に出たときに自分の船の位置を割り出すために岬の特徴からつけたものが多いようです。
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こづり
溶岩流の末端で指状に広がった小さな岬のひとつで、上面のアア溶岩の下には厚い溶岩流が露頭します。
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おおづり
溶岩流が海水に触れて冷える過程で、下部には柱状節理ができている。磯浜では様々な溶岩の産状が観察できます。
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ふたまた
溶岩流の先端部が二股に分かれています。
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もずがね
海面上の細かい柱状節理の上部には太い柱状節理が成長して冷え固まっています。
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かどかけ
開けた浜から、溶岩流が海に張り出した根を観察できます。城ケ崎でもっとも沖に突き出た岬です。
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ツバクロ島
元々は陸続きだった岬の一部が波の浸食により崩落したため小さな島となりました。外敵がいないので、毎年春から夏にかけてアマツバメが渡来して繁殖・子育てをします。
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門脇(かどわき)吊橋
門脇崎灯台のある門脇崎は城ケ崎で一番人気がある場所です。揺れる吊り橋の上から、ツバクロ島などの断崖絶壁を見られます。
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舟形(ふながた)
門脇崎の吊り橋の上から、下の陸側を見ると大きく侵食されたゴロタ浜が見えます。舟形と呼ばれる溶岩トンネルの天井が崩落したくぼ地です。
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門脇崎(かどわきざき)
門脇灯台の先端は、ごつごつしたアア溶岩が広がります
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3D地形図
門脇崎を中心とする城ケ崎北部を、静岡県点群データにより、3D地形図を作成しました。
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ならいかげ
門脇崎の西はナライの風(北東風)の時の磯釣りに人気です。
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左穴口(ひだりあなぐち)
ならいかげと穴口の間のゴロタに張り出した溶岩流の高まりは、釣り人には左穴口と呼ばれます。
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穴口(あなぐち)
厚い溶岩流の下部が海食されて、ぽっかりと穴があきました。底には磯が見えます。
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びしゃご
ゴロタ浜に降りると、北には未発達の柱状節理の壁が見えます。
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陸のしんのり
溶岩流末端の岬(陸のしんのり)の上部には樹木が繁茂しています。
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しんのり島
陸のしんのりの沖に浮かぶ小さなしんのり島です。
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ひら根
溶岩流が海中に張り出した平らな根です。
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ひら根の先端
ひら根は、柱状節理の上部が波食されて棚になっています。
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平根島(ひらねじま)
ひら根の沖のはなれ根が平根島で、柱状節理が頭を出しています。
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つなきり
海洋公園の海岸の北の岬です。