錦ヶ浦は、陸上で噴火活動した熱海火山のひとつである魚見崎(うおみざき)火山が約60万年前頃に、主に水底で噴火した後に、地殻変動により隆起して、陸上で噴火した噴出物が覆っています。相模灘(さがみなだ)の波濤(はとう)により海食された崖には、波食台(はしょくだい)・波食窪(はしょくくぼ)や海食洞(かいしょくどう)などの奇岩・景勝が見られる観光地となりました。
波打ち際の波食台を土台として、17階建てのホテルが建設され、相模灘や伊豆諸島を一望できます。
- 地域
- 東伊豆エリア
- ジオサイト
- 錦ヶ浦
- 地層分類
- 以前は多賀火山の活動初期に主に水底(一部陸上)で噴火した噴出物と考えられていました。
最近は、活動時期・場所から多賀火山をいくつかの火山群に分類して、約70万年~45万年前に活動した熱海火山の海側で約60万年~50万年前に活動した魚見崎火山の噴出物と考えるようになりました。 - 住所
- 静岡県熱海市熱海1993-250
- キーワード
- 魚見崎火山
Information
- なし
- JR東海道線・熱海駅からバス[錦ヶ浦入口]下車、徒歩5分
- なし
- 難易度
- ハイキング
- 安全情報
- ホテルの私有地のため、庭園に降りて観察することはできません。遊歩道や、遊覧船で観察できます。
周辺の見どころ
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海から錦ヶ浦
熱海港からの遊覧船や初島航路の高速船から陸上からは見ることができない景色が楽しめます。
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馬の背
水冷破砕溶岩でできた小岬の中央部が海食されて洞窟となっています。岬に生えた松が馬の背中のように見えます。海食洞の穴の上には、隆起後に噴出したスコリアが酸化して赤くなった地層が見えます。
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波食台
波打ち際には、波により平らに侵食されて、その後隆起した波食台が顔をのぞかせます。
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波食窪
海食された崖の下部で波食台と接するところにある窪みを波食窪と呼びます。波食窪の上には、海底で噴出したマグマが海水と反応して激しい噴火をした跡が残ります。
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兜岩(かぶといわ)
馬の背の岬の先にある離れ根で、収縮節理の発達した火山角礫岩から成ります。
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観魚洞隧道(かんぎょどうずいどう)
錦ヶ浦は、以前は魚見崎(うおみざき)と呼ばれて、漁師が魚の群れを見張った岬でした。明治42年に天城トンネルと同じ工法で造られたトンネルは、魚見崎を貫くように造られたのが名前の由来です。