世古峡は猫越川(ねっこがわ)が狩野川(かのがわ)に合流する手前の狭い渓谷です。両岸には海底火山から噴出した火山灰が堆積した凝灰岩が迫ります。
- 地域
- 中伊豆エリア
- ジオサイト
- 湯ヶ島(ゆがしま)
- 地層分類
- 約1500万年~1000万年前に、南の海底で噴火した海底火山の噴出物で、川床や川岸に湯ヶ島層群の凝灰岩の地層が露頭します。
- 住所
- 静岡県伊豆市湯ケ島1964
- キーワード
- 渓谷
Information
- なし(天城会館・駐車場、無料 100台)
- 伊豆箱根鉄道・駿豆線 修善寺駅からバス約30分、バス停・湯ヶ島温泉口から徒歩15分
- なし(天城会館にあり)
- 難易度
- ハイキング
周辺の見どころ
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湯谷(ゆたに)大権現の釜石(かまいし)
世古峡の北の小高い丘は釜石山とよばれ、山頂の手前に湯谷大権現の祠を祀った釜石と呼ばれる巨石があります。釜石が地下水を熱して、湯ヶ島の谷川に温泉を湧出させていると信じられていました。山頂一帯は、湯ヶ島層群よりも新しい白浜層群に属し、細かい平行葉理が見られます。
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白壁荘の巨石風呂
地中から掘り出した重さ53トンの安山岩の巨石を刳り抜いて露天風呂にしています。
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白壁荘の大岩の湯
白壁荘の基礎部分には湯ヶ島層群の凝灰岩の基盤があります。熱水変性した岩を刳り抜いて大岩の湯としています。
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白壁荘の部屋
井上靖が湯ヶ島に帰省するたびに滞在した部屋は宿泊することもできます。
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湯本館の河原温泉
湯本館の狩野川の河原には、露天の岩風呂が設けられていて、狩野川を目と耳で楽しめます。
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川端康成逗留の部屋
湯本館には、川端康成が『伊豆の踊子』を執筆した部屋が公開されています。
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凝灰岩の露頭
白壁荘前の狩野川の川床に、凝灰岩が露頭します。
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二百枚(にひゃくまい)のタービダイト
猫越川の川床には、海底で発生した乱泥流が海底で堆積したタービダイトが露頭します。地名の二百枚の由来は”1日に慶長小判二百枚分の金が産出されたことから”だそうです。
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水恋鳥(みずこいどり)広場の露頭
狩野川で唯一水遊びのできる広場。流れは緩やかで、水はきれいです。対岸には、湯ヶ島層群の凝灰岩も露頭します。
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水力発電所上流の柱状節理
茅野の溶岩台地の末端の狩野川沿いには、鉢窪山からの溶岩流が冷え固まってできた柱状節理が露頭します。
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へい淵
井上靖の『しろばんば』で男の子たちが川遊びをした小さな淵があります。国士越南火山の溶岩流が侵食された淵は深そうです。
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巾着淵(きんちゃくぶち)
下流には女の子たちが遊んだ淵もあります。手前の溶岩流には節理が見られます。
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河鹿(かじか)の湯
狩野川の流れに面して、井上靖著『しろばんば』に”西平の湯”として登場する共同浴場があります。
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熊野山三十三観音
熊野山の南西斜面に設けられた遊歩道には、西国三十三観音の写し霊場があります。
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井上家の墓所
熊野山の山頂は平らに開けていて、墓地公園となっています。井上家の墓所には、井上靖も眠ります。おぬい婆さんも近くに眠ります。
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天城神社
天城神社の狛犬は、二匹ともに天城の方を向いて、山犬(狼)ににらみを利かせています。
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天城さくらの里からの富士山
天城神社の東の小高い丘に整備された公園で、眼下には湯ヶ島の町が、遠くには富士山も望めます。
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天城さくらの里
春には、河津桜から始まって桜が咲き競います。
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与市坂川 裏見の滝
与市坂川(よいちざかがわ)の中流に落ちる滝。滝裏に入ることもでき、スコリア層が見えます。
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与市坂川 上流の滝
与市坂川の上流に落ちる小さな滝です。