天城峠(あまぎとうげ)の下を通る旧天城隧道(ずいどう)を抜けるとそこは南伊豆です。旧道を下って本谷川(ほんたにがわ)に出逢う場所に寒天橋があります。名曲[天城越え]の2番の歌詞に[小夜時雨 寒天橋]と歌われた旅情あふれる場所です。
橋の上流側に、南伊豆などの磯場で採った天草から寒天を作る製造所があったそうですが、今ではその跡ははっきりとしません。
本谷川に沿って寒天林道を遡ると、寒天園地を経て、八丁池(はっちょういけ)に至ります。旧道を南に下ると、本谷川に沿った渓谷には、二階滝をはじめとして、いくつかの滝がかかります。
- 地域
- 南伊豆エリア
- ジオサイト
- 寒天橋
- 地層分類
- 湯ヶ島層群の海底火山の噴出物・堆積物を基盤として、陸上大型火山である天城火山からの溶岩や土石流が覆います。
- 住所
- 静岡県賀茂郡河津町
- キーワード
- 天城峠
Information
- あり-無料-30台(二階滝駐車場)
- 伊豆箱根鉄道・修善寺駅からバス、[二階滝]バス停下車
- あり(二階滝駐車場)
- 難易度
- ハイキング
- 安全情報
- 滝は国道下の本谷川の渓谷にあります。アプローチには急崖を降りるところもあります。
周辺の見どころ
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ラハール
寒天林道の途中に、約3万6千年前に噴火した寒天林道火山から噴出したスコリアを含む土石流が堆積した地層が露頭します。
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溶岩流
寒天林道の途中に、約3万6千年前に噴火した寒天林道火山から噴出した溶岩流が露頭します。
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登リ尾(のぼりお)
登リ尾は天城連山から南西に張り出した尾根にあり、天城火山の一部としてできた山です。寒天林道の途中から展望できます。
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くじら岩
寒天林道から登リ尾への登山道の途中にある新山峠手前に、クジラ岩と呼ばれる岩が植林帯の中にあります。見る位置によっては、くじらが口を開けて笑っているように見えます。
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登リ尾山頂
登リ尾山頂(1056m)はブナ・ヒメシャラ・アセビが優勢で、展望は利きません。
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登リ尾南タフリング
登リ尾の南斜面に、約2万5千年前に登尾南火山が噴火しました。急斜面を流れ出た溶岩流は、河津川の谷間を埋め立て、更に2Kmほど流れて、河津七滝を造りました。
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スコリア層
タフリングの地形は不明瞭ですが、南の林道の東西に噴出したスコリア丘の断面が露頭します。
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溶岩露頭
登リ尾南火山の林道の途中に、溶岩が露頭しています。
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二階滝(にかいだる)
登リ尾の西側の谷を流れる河津川には、大小の滝が落ちます。二階滝は、最上流に位置します。
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二階滝
二階滝は、数段に分かれて落ちています。
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無名滝
二階滝の下流にかかる小さな滝です。
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柱状節理
無名滝の落ち口周辺には横倒しの柱状節理(溶結凝灰岩?)が見られます。
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榾場(ほだば)の滝-上
二階滝の下流に落ちる滝は、シイタケ栽培用のほだ木にシイタケ菌の発育を促すために滝つぼに漬けたことから、この名前がついているようです。
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榾場の滝-下
下流の滝も榾場として利用されたようです。
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無名滝
滝というには落差が小さいですが、滝つぼがきれいです。
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玉簾(たますだれ)の滝
二階滝駐車場西の河津川にかかる滝です。水流が玉簾のように見えるのでしょうか?
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平滑(ひらなめ)滝
鍋失(なべうしない)トンネルの北の河津川にかかる滑滝(なめたき)です。
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平滑滝
新緑と紅葉のどちらにも映える滝です。