須崎半島の南端に突き出た小さな島ですが、橋で渡れます。島の南には、千畳敷(せんじょうじき)と呼ばれる波食台(はしょくだい)があり、干潮時には磯遊びに最適です。島の周囲を巡る遊歩道では、白浜層群の噴出物が堆積して様々な地質・地層を観察することができます。
Information
- あり-無料-数台
- 伊豆急・下田駅からバス、[須崎海岸]バス停下車、徒歩
- あり
- 難易度
- ハイキング
- 安全情報
- 遊歩道には、危険な場所もあります。転落や波に注意して通行しましょう。
周辺の見どころ
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恵比須(えびす)神社
恵比須島の山頂には恵比須神社が建ちます。この付近から多数の手捏土器(てづくねどき)や須恵器(すえき)が出土したほか、焚火(かがりび)の跡も発見されて、古代の祭祀遺跡(さいしいせき)と考えられ、夷子島(えびすじま)遺跡として下田市の文化財に指定されています。
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恵比須島指向灯
古代の祭祀遺跡には、下田沖を行き交う船を導くために、指向灯が設けられています。
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砂礫互層(されきごそう)
島の北東部の露頭では、凝灰質砂岩と礫岩の互層が見られます。礫岩層には、水流により礫の扁平面(へんぺいめん)が一方向に向いたインブリケーションが見られます。
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砂泥互層(さでいごそう)
水底土石流の下部には、砂泥互層の縞模様が見られます。
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境界のチャンネル構造
下部の凝灰質砂岩の層を、上部の水底土石流が流れた際に、下部の上面を削ってできた凹凸のチャネル構造が見られます。
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断層
島のほぼ東西にいくつかの小さな断層が走ります。
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凝灰質砂岩の大露頭
島の西側の遊歩道沿いには、薄い平行葉理が発達した凝灰質砂岩が美しい姿を表します。
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波食崖(はしょくがい)
軟らかい凝灰質砂岩は波と風雨の浸食で、新鮮な造形を見せてくれます。
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整合面
島の東南の千畳敷寄りの崖は侵食されて、水底土石流と凝灰質砂岩の明瞭な整合面が見られます。その後、東側が隆起したことが分かります。
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3D地層図
整合面を、フォトグラメトリにより3Dモデルを作成しました。
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火炎(かえん)構造
島の南端の千畳敷寄りの崖は侵食されて、液状化によるシルトの火炎構造がみられます。
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スランプ構造
液状化によるものと考えられる小さなスランプ褶曲(しゅうきょく)も見られます。
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千畳敷(せんじょうじき)
島の南東に広がる凝灰岩の波食台では、伊豆石(軟石)が採石されたこともあります。
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千畳敷
干潮時には、平らな波食台は、浅い潮だまりとなります。
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岩礁(がんしょう)
岩礁と磯は波静かで、青空が映り込みます。
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断層
島の周遊道の東側では、島を横切る断層の割れ目を観察できます。
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小断層
シマシマの砂質凝灰岩層に走る小さな断層が見られます。
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水冷破砕岩(すいれいはさいがん)
船着き場西の小露頭は、水冷破砕岩、枕状溶岩、塊状溶岩が混在しています。
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枕状溶岩(まくらじょうようがん)
水冷破砕された枕状溶岩が露頭します。
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軽石凝灰岩の地層
船着き場西の入り江の崖には、軽石凝灰岩が露頭します。
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恵比須島全景
恵比須島と千畳敷の全景を空から撮りました。