地球科学者の久野久(後の日本火山学会委員長、故人)は、北伊豆地震の後に多賀火山や湯河原火山の地質調査を行いましたが、丹那断層をまたぐ谷の地形に注目して、断層の両側の土地が南北に約1Km食い違っていることを発見しました。丹那断層が数十万年かけて繰り返して横ずれが発生したことで、A地点-A'地点、B地点-B'地点、C地点-C'地点と3つの谷が断ち切られたのです。
Information
- なし-路上駐車
- 公共交通手段によるアクセス無し
- なし
- 難易度
- ハイキング
- 安全情報
- A地点は道路上です。車の通行に注意してください。
A地点の最寄りの雷電神社を示す。直線距離で西北西に170mほどがA地点
軽井沢周辺の見どころ
-
断ち切られた谷-A'地点
十国峠近くから流れる沢が田代盆地に流入する位置に、数十万年前にはA地点とつながっていたと考えられるA'地点があります。
-
断ち切られた谷-B地点
熱海街道が鬢の沢(びんのさわ)から軽井沢に向かって曲がる地点がB地点です。道に沿って登ってきた谷の上流が消えています。
-
断ち切られた谷-B'地点
熱海峠近くから流れる沢が田代盆地の谷に流入する位置に、数十万年前にはB地点とつながっていたと考えられるB'地点があります。
-
断ち切られた谷-C地点
丹那断層は南にある深沢川の谷も断ち切りました。韮山反射炉から登ってきた道沿いの谷は高原の先で下り始めます。このあたりがC地点です。谷の上流が消えています。
-
断ち切られた谷-C'地点
韮山峠南から流れる沢が市民の森・浮橋に流入する位置に、数十万年前にはC地点とつながっていたと考えられるC'地点があります。
-
尻無(しんなし)洞
A地点とB地点の谷が合流したその先の下流には函南駅付近までの深いV字谷が刻まれていますが、普段は水が流れていません。
-
露頭
軽井沢の源橋(みなもとばし)上流の西側の崖が崩れたままになっています。断層ずれと関係があるとみられます。
-
断層による横ずれ
軽井沢の源橋上流では、石垣が断層ずれにより崩れたままになっています。
-
畑に残る逆断層ずれ
A地点近くの畑の中に断層が走り、西側が少し隆起しました。